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以前読んだ三浦綾子氏の「氷点」か「続・氷点」(多分、続の方だったかな?)で名前が出てきた「出家とその弟子」という作品がどうしても気になったので読んでみました。
読み始めは、あれ?戯曲?と少し困惑しましたがこの小説は戯曲です。戯曲はちょっと。。。という人も多分最後まで読み終えることが出来ると思います。(多分)
大正五年、作者の倉田百三氏26歳の時の作品だそうです。26歳でこんなに深い内容が書けるのはすごいなぁ、と思っていましたが、後書きを読んだところこの頃、色んな事があって病床で死を意識した状況で書かれたということなので、ある種悟っていたのかもしれませんし、仏教やキリスト教に傾倒していた時期ということで、なるほど納得です。
ところが、当時は仏教関連から結構批判を受けていたみたいですし、内容が希薄だという批判も受けていたみたいですね。
ただ、当時の青年からは熱狂的な支持を受けていて、大ベストセラーだったようです。
読む価値が十分ある小説だと思います。